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Wunderbares Deutschland ~素晴らしきドイツ~ ― RUF本国ドイツの文化をお届けする連載コラム ―

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オーガニック大国ドイツのこだわり その2

レポート・文 前川 みやこ(コラムニスト・ライフスタイルアドバイザー)

前回は、ドイツが『オーガニック大国』と呼ばれるようになるまでの経緯や、その根底にあるドイツ人の自然や環境に対するこだわりについてお話しました。
今回は、実際に今人気の高いオーガニック食品、そして、日本でもファンの多い、ドイツ発のオーガニックコスメをご紹介しましょう。

ドイツのスーパーマーケットには、野菜や肉、乳製品の他、加工品であるパンやお菓子、ワインに至るまで、オーガニックの証である『Bio』マークの付いたものが数多く売られています。
特に人気の高いのが、全粒粉で作られたパン、そして「TOFU(豆腐)」です。豆腐はドイツでも人気の健康食品。ただし、日本の豆腐よりはるかに硬く、チーズのような感覚で食べるようです。日本人には、ちょっと違和感があるかもしれません。

最近注目されているオーガニック食品が、キヌアとチアシードです。日本でも専門店で入手できるようになりましたが、まだまだ一般的ではありませんね。

キヌアは、1万年前から南米で食べられていた穀物です。体内で作り出すことのできない必須アミノ酸をバランスよく含み、食物繊維やカルシウム、ミネラルなども豊富で、NASAが21世紀の主要食になると認めたというスーパーフードなのです。栄養豊富なのに低カロリーということで、ダイエットフードにもなり、美容と健康の両面で注目を浴びています。
▲食物繊維やカルシウム、ミネラルなども豊富なスーパーフード、キヌア

チアシードは、メキシコなどではポピュラーな食材。チアというシソ科の果実の種です。
見た目は黒ごまのようですが、水分を含むとゼリー状に膨らみ、10倍になるので、少ない量で満腹になると、アメリカのスーパーモデルや女優の間でダイエットフードとして広まりました。オメガ3脂肪酸、アミノ酸やカルシウム、マグネシウム、鉄分など、現代人に不足がちの栄養素を豊富に含んでいる、魅力的な食材です。

最近では、モデルのミランダ・カーが愛用しているということで話題になりましたね。ヨーグルトに混ぜたり、ジュースに入れて飲んだり、クッキーなどの焼き菓子に入れて食べるのが基本のようです。日本でも、インターネットなどで入手出来るので、一度お試しください。

▲ダイエットフードとして人気のチアシード

オーガニックコスメは、日本でも今や大人気。ここ数年ファンが急増しているようですね。
フランスやアメリカのものもいろいろありますが、やはり人気が高いのはドイツブランドです。『ANNEMARIE BORLIND(アンネマリー・ボーリンド)』『lavera(ラヴェーラ)』『Dr.Hauschka(Dr.ハウシュカ)』などは、皆さんもよくご存じなのではありませんか?

『ANNEMARIE BORLIND(アンネマリー・ボーリンド)』の創立者、アンネマリー・リンドナーは、20代の頃に、化学療法では治癒できなかった肌のトラブルを、ハーブと植物療法で見違えるほど改善した経験から、「科学を超える植物の力」に注目し、徹底的にハーブを研究しました。
1959年に、ドイツ南部のシュバルツバルト地方・バーデンバーデンの、通称「黒い森」と呼ばれる場所に『ボーリンド社』を設立し、植物を使った化粧品作りをスタートしました。

もともと自然と環境基準に厳しいドイツ政府が、世界的にも有名な保養地であるこの土地に、本社・研究所・工場を持つことを認めたことからも、その安全性の高さがわかります。
その後、細胞生理学、皮膚生理学の権威であるリッツマン博士の参加により、ハーブをベースにした自然素材を、DNAレベル、細胞レベルで効果的に浸透させることに成功。植物力と科学に融合により、こだわりの化粧品作りをしています。


▲『アンネマリー・ボーリンド』のウェブサイト

創業当初からの理念は『食べられない化粧品は作らない』。オーガニック栽培植物を使用し、石油由来成分、合成着色料、合成香料は使用しない。動物実験を行わない、地球の生態系を崩さない、自然エネルギーを使用など、自然と環境に徹底的にこだわった化粧品作りをしています。
創業当初から変わらないこのロハス思考の理念は美容家やセレブに広く支持され、サロンを中心に世界35カ国で愛用されています。9種類のハーブエキスを凝縮した化粧水「ZZハーバルトナー」は、藤原紀香さん愛用ということで話題になりました。

『lavera(ラヴェーラ)』の歴史は、今から50年ほど前、トーマス・ハーゼによってスタートしました。
ハーゼは最初オーガニックフードから手がけましたが、幼少の頃から敏感肌に苦しんだ経験から、ハーブを主体にした化粧品の研究にも没頭し、1975年に、『lavera』の最初の商品であるリップクリームが完成。その後も化粧品の研究を進めて、1987年にドイツの北部ハノーバー近郊に『ラヴェラーナ社』を設立したのです。

ちなみに、ブランド名の『lavera』は、ラテン語で「真実」という意味だとか。
創業当時から、人と自然への思いやり、新しいアイデアと知識による斬新な製品作りをモットーに、「すべての人の真実のオーガニック化粧品でありたい」という思いがブランド名に込められているそうです。

▲ハーブを主体にしたラヴェーラ

『lavera』の製品は、生産から製造、出荷まで全てドイツで行われ、契約農園などの確かな有機農業でつくられた原材料を製品に使用。使用されるすべての成分は環境に配慮し、自然の生態系に影響を与えない方法で採られ、鉱物油や合成の保存料・着色料・香料、防腐剤は使用していません。特に、皮膚アレルギーテストの厳しい基準をクリアすることに重点をおいているので、ボディークリームやフェイスケアは、価格もリーズナブルで、日本でも人気があるようですね。

『Dr.Hauschka(Dr.ハウシュカ)』は、ウイーン出身の化学者、ルドルフ・ハウシュカ博士と、美容家のエリザベート・ジークムントが1935年にドイツに設立した医薬品会社『WALA社』が製造元のオーガニック化粧品です。
ハウシュカ博士は、人智学の提唱者であるルドルフ・シュタイナー博士の影響を強く受け、「生命にはリズムがある」という言葉から、アルコールを使用せず商品の長期保存を可能にする、独自の水性植物エキス抽出法「リズム製法」を開発しました。


▲『Dr.ハウシュカ』のウェブサイト

植物の栽培地をひとつの閉じられた循環システムとしてみなす有機栽培"バイオダイナミック農法"で育てられた植物や自生植物を使用し、独自の"リズム製法"で植物エキスを抽出しています。
『Dr.Hauschka』では、肌自身が持っている回復力に着目し、「ナイトケアにはオイルを使用しない」という斬新なスキンケアを提唱しています。洗顔後は化粧水で終了。乳液やクリームは使いません。泡立たない洗顔料など、独自の理念に基づいた商品に関心を抱く人は多く、今最も注目されるオーガニックコスメの1つでしょう。

ただ体にいいから、肌に優しいから……ではなく、環境や生き方に対する確かな哲学に基づき、信念をもって取り組むドイツのオーガニック商品作りは、今後も人や地球を考える指針として、確実に世界に浸透していくのではないでしょうか。

写真提供:OFFICE SHIBA Inc.

前川みやこ(Miyako Maekawa) PROFOLE コラムニスト、ライフスタイルアドバイザー

早稲田大学法学部卒。ライター、コラムニストとして小学館発行の女性誌『CanCam』『Oggi』などで創刊当初より多くの連載を持つ。2008年よりインターネット上でのコラムニスト、ライフスタイルアドバイザーとして活躍。ライブドアニュース『独女通信』などの辛口コメントで人気となる。著書に『言葉の毒』(アマゾン、紀伊国屋、SONYストア他より電子出版)があり、現在第2冊目を著作中。2013年春より「リーン・ロゼ」ブランド・アンバサダーとして活動。人気ブログ『みやこのこのみ』を公開中。2013 年8月『ことばの毒』を出版。アマゾン、その他の書店で発売中。

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