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幻想的でロマンチックなイベント・『クリスマス・マーケット』その1

レポート・文 前川 みやこ(コラムニスト・ライフスタイルアドバイザー)

ドイツでは、10月の最終日曜日に時計の針を1時間戻して、夏時間から冬時間に切り替えます。11月に入れば冷たい風が吹き始め、長い冬の到来の予感。しかし、この時期は、あの楽しいクリスマスに向けての、ワクワクする準備期間でもあるのです。
ドイツ人にとって、クリスマスはキリストの生誕を祝う大切な行事。クリスマス前の4週間は『Advent(アドヴェント)=待降節』と呼ばれ、各地で様々なイベントがスタートします。そのイベントの中心となるのが、『クリスマス・マーケット』です。

街の中心の広場にデコレーションを施したクリスマスツリーが飾られ、クリスマスグッズやソーセージ、グリューワイン、パン菓子やおもちゃなどを売る露店がところ狭しと立ち並び、マーケット会場全体が、美しいイルミネーションで彩られます。ドイツ独特の歴史ある街並みとそのイルミネーションが溶け合った、幻想的でロマンチックな風景は、まるでおとぎ話の世界のよう。思わずうっとりと見とれてしまいます。
ドイツでは大都市だけでも2500以上のクリスマス・マーケットが開催されますが、その中でも特に有名なのが、三大クリスマス・マーケットと呼ばれているニュルンベルグ、シュトゥットガルト、ドレスデンのものです。それぞれ、とても個性的なので、まずのその特徴や規模をご紹介しましょう。


『世界一有名なニュルンベルグのクリスマス・マーケット』


▲ ニュルンベルグのクリスマス・マーケット

ニュルンベルグのクリスマス・マーケット『クリストキンドレスマルクト』は、旧市街の中央広場で開催されます。「クリストキント」と呼ばれる天使に扮した若い女性が開会を宣言するセレモニーが行われ、毎年世界中から200万人もの人が訪れるそうです。
まるで中世の都市にタイムスリップしたかのような街の雰囲気と、特産品の焼きソーセージやグリューワインの甘い香りに、子供だけでなく、大人もみんな満面の笑顔。

『子供クリスマス市』のたつハンス・ザックス広場とカタリーネン僧院の星の家には、蒸気メリーゴーランドや機関車が登場し、子供達に人気です。この2つのクリスマス・マーケットをつなぐクリッペ通りでは、様々なキリスト生誕の場面を人形で表現した『クリッペ』をたくさん見ることができます。


『世界最大のシュトゥットガルトのクリスマス・マーケット』


▲シュトゥットガルトのクリスマス・マーケット

ヨーロッパ最古のマーケットのひとつで、最大規模のシュトゥットガルトのクリスマス・マーケットは、マルクト広場とシラー広場で開催され、270店以上にも及ぶ美しく飾られた屋台が並びます。
規模もさることながら、その美しさも最高。旧宮殿からシュティフト協会、新宮殿のバロック庭園から歴史的なシラー広場までがイルミネーションで美しく輝きを放ち、クリスマスの気分を大いに盛り上げます。

ここのクリスマス・マーケットの特徴は、屋台のディスプレー。トナカイやサンタクロース、もみの小枝や天使の人形で、木製の小屋の屋根や店先を豪華に飾り立て、まるで各店のディスプレーの競演。この華やかさは、他のクリスマス・マーケットと比べものになりません。

旧宮殿の中庭では、毎年『アドベント・コンサート』も開催されます。


『世界最古のドレスデンのクリスマス・マーケット』


▲ドレスデンのクリスマス・マーケット

ドイツ東部の古都ドレスデンのクリスマス・マーケットは1434年に始まり、世界で最も古い歴史を誇っています。
クリスマスのお菓子の代表選手『シュトレン』はドイツの各地でオリジナルのものが作られていますが、ここドレスデンのシュトレンが特に有名なのです。そのため、昔シュトレンがシュトリーツェルと呼ばれていたことに由来して、ドレスデンのクリスマス・マーケットは、『シュトリーツェルマルクト』と呼ばれています。

毎年第2アドヴェントの直前の土曜日には『シュトレン祭』が開催され、なんと重さ4トンの巨大シュトレンが、ツヴィンガー宮殿からフラウエン教会を経てクリスマス・マーケットまでパレードするのです。そして最後は広場でカットされ、みんなに配られます。また、ドレスデン周辺の職人達による伝統工芸品がマーケットに並ぶのもここの特徴で、エルツ産地の木工のおもちゃ飾り、ラウズィッツ地方の藍染めと陶磁器、フラウエンのレース刺繍、ヘルンフーターのアドヴェント星飾りなどが有名です。

ドイツのクリスマス装飾品のひとつに、塔の上に羽根が付き、台のろうそくをつけるとその羽根や飾りが回る仕掛けになった『クリスマスピラミッド』と呼ばれる木製のものがあります。『シュトリーツェルマルクト』では広場に高さ14メートルという大きな『クリスマスピラミッド』が組み立てられ、ギネスブックにも登録されました。

以上の3大クリスマス・マーケット以外にも、『エンジェルプレー』というアトラクションで、天使達が音楽を奏でながらクリスマス・マーケットを見下ろす丘に現れる、アウグスブルクのクリスマス・マーケットや、無数の灯りと光るオーナメントで飾られた、世界最大のクリスマスツリーがそびえる、ドルトムントのクリスマス・マーケットなどなど、この時期は、ドイツのどの街にいても、クリスマス・マーケットが楽しめてしまうのです。

次回は、クリスマス・マーケットを彩る装飾やワイン、お菓子などをご紹介します。

(次号に続く)

写真提供:OFFICE SHIBA Inc. Winbull Co.,Ltd.

前川みやこ(Miyako Maekawa) PROFOLE コラムニスト、ライフスタイルアドバイザー

早稲田大学法学部卒。ライター、コラムニストとして小学館発行の女性誌『CanCam』『Oggi』などで創刊当初より多くの連載を持つ。2008年よりインターネット上でのコラムニスト、ライフスタイルアドバイザーとして活躍。ライブドアニュース『独女通信』などの辛口コメントで人気となる。著書に『言葉の毒』(アマゾン、紀伊国屋、SONYストア他より電子出版)があり、現在第2冊目を著作中。2013年春より「リーン・ロゼ」ブランド・アンバサダーとして活動。人気ブログ『みやこのこのみ』を公開中。2013 年8月『ことばの毒』を出版。アマゾン、その他の書店で発売中。

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